工事進行基準
こうじしんこうきじゅん(収益・費用会計)
意味 進捗度に応じた収益計上
工事進行基準とは?
工事進行基準は、長期の建設工事やプロジェクトの会計処理方法の一つです。工事の進捗度に応じて、収益と費用を期間ごとに計上します。工事の完成を待たずに、その進捗状況を財務諸表に反映させることができます。
工事進行基準の具体的な使い方
「大規模な橋梁工事の会計処理には工事進行基準を適用して、毎年の進捗に応じて収益を認識しているんだ。」
複数年にわたる大型建設プロジェクトの収益認識方法を説明しています。工事の進行度合いに合わせて段階的に収益を計上する手法を採用していることを示しています。
工事進行基準に関するよくある質問
Q.進捗度の測定方法は?
A.工事進行基準における進捗度の測定方法には主に以下があります:
1. インプット法:発生原価比率法(実際発生原価÷見積総原価)
2. アウトプット法:物理的進捗度(完成した物理的な仕事量の割合)
3. 期間基準:契約期間に対する経過期間の割合
どの方法を選択するかは、工事の性質や契約内容、データの入手可能性などを考慮して決定します。選択した方法は継続して適用し、合理的な理由がない限り変更すべきではありません。
Q.工事損失引当金との関係は?
A.工事進行基準と工事損失引当金には以下の関係があります:
1. 工事進行基準では、進捗に応じて収益と費用を認識します
2. 工事全体で損失が見込まれる場合、その損失額を工事損失引当金として計上します
3. 引当金は、工事収益と工事原価の差額がマイナスになると見込まれる金額です
4. 工事の進捗に応じて、引当金を取り崩していきます
工事進行基準を適用する場合でも、将来の損失に備えて適切に引当金を計上することが重要です。
Q.工事完成基準との違いは?
A.工事進行基準と工事完成基準の主な違いは以下の通りです:
1. 収益認識のタイミング:
- 進行基準:工事の進捗に応じて段階的に認識
- 完成基準:工事完了時に一括認識
2. 期間損益:
- 進行基準:各期の業績をより適切に反映
- 完成基準:完成時期により業績が大きく変動する可能性
3. 適用条件:
- 進行基準:進捗度を合理的に見積可能な場合
- 完成基準:進捗度の見積りが困難な場合
4. 財務諸表への影響:
- 進行基準:収益と利益が平準化される傾向
- 完成基準:収益と利益が変動しやすい
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